保育ソーシャル
ワーカーとは
子育て支援を行なっている方(保護者含め、子どもや保護者に関わる仕事に携わる方々を対象)ソーシャルワークの視点から支援させて頂くことを目的にしています。
保護者支援の
お手伝い
ご希望に応じて、園でお困りのケースを一緒に考え問題解決に向けてのお手伝いをいたします。
具体的にはケース会議の参加、保護者との面談、外部機関とのつなぎ、など、柔軟に対応いたします。どんなことでもお気軽にご相談ください。
保育者研修
当研究所では、保育所や幼稚園、認定こども園などで働く方々に向けた「保育・幼児教育の機関での保護者支援(保育ソーシャルワーク)」をテーマとした保育者研修をいたします。
最近幼稚園のお母さん達と、「緊急時に連絡網は回るのか?」という話をしていました。今回の熊本地震の際は、被害が大きかったところはつながりにくくなりましたが、「まったく安否が確認できない!」という話は聞きませんでしたが。
けれど、従来の連絡網の廻し方では連絡が回らなかった幼稚園・小学校が多々あり、連絡網の在り方を一斉送信メールに変えたりと対策がされたそうです。
東日本大震災では、混雑していることはもちろん、通信機器そのものが水に浸かり壊れたり携帯電話を持って逃げることができなかったり、停電のため充電ができなかったりと「連絡を取り合う」ことができなかったそうです。連絡が取れない不安、考えるだけで怖くてたまりません。
防災の本に答えを求めると、「災害時は連絡が取れないを前提に!」とありました。連絡が取れなくなってもまた家族が会える方法を、家族で決めておく方法です。本によると「どこに逃げるのか」「どこにいるとメモを残すのか」「災害伝言サービスはどうやって使うのか」などを家族で話し合っておき、小さなカードを作り子供はランドセルに、大人も持ち歩くそうです。連絡先に遠方の親戚の番号を書いて置き、そこにメッセージを託す方法も紹介されていました。
家族でぜひ話し合って、必ずまた会える希望をつくってみてください。
バナナが通っている幼稚園では、交通安全教室がとても充実しています。年に4回、専門の先生を招いて親子で講習を受け実際に横断歩道を渡ったり、ダミー人形が車とぶつかるとどうなるのかの実演を見ます。その講演で「一番事故に逢いやすいのは1年生です。最近の子供は道を歩き慣れていません。親と車で通園することが増えているからです。そんな子供たちが1年生になったら一人で道路を横断したり、危険を予測しないといけないのです。だから、親子でしっかりと道路を歩きどこが危険なのか、なにを予測しないといけないのかを繰り返し教えてください。」と話されたことがとても心に残りました。
一人でお留守番をしたり遊びに行くようになると、子供たちは自分で自分の命を守る術を身に着けていないと、誰も守れないのです。そう思うと、交通安全に地震に防犯に・・・と教えたいことが山のようにあって気持ちが焦ってしまいます。
今のバナナにはまだ早い気もしますが、時々「こんな時どうする?」とクイズのように問いかけています。「車にぶつかったらどうなる?」「信号を待つときはどこにいるといいと思う?」「地震が起きたらどこに隠れようか?」と。とにかく1つでも1回でも積み重ねておきたいのです。
まだ少し先ですが、小学生になる前には一緒に登校道を歩いて電信柱やブロック塀、ガラスの窓、自動販売機のある場所を確認しながら「地震が起きたら倒れてくるものだから近づかない。」と地震の際に気を付けることも話していきたいです。
「幼稚園の先生に話をしにいこう!」と決めたのはいいものの、「災害時にどうしてほしいのか?どうしたら迎えに行くまでの時間を安全に過ごせ、子供たちを安心させられるのか?」自分の中にぼんやりとした答えしかなく、なかなか行動に移せませんでした。
熊本市や益城の知り合いに震災時の取り組みについて聞いてみたり、図書館に行き防災関係の本をいくつか読んでみたりしました。
本はすごいです。当たり前のことかもしれませんが、専門家が書かれていることは「なるほど~!!」と唸るものばかりでした。特に3人の母である国崎信江さんが書かれている防災の本は読みやすく、活かせるものばかりでした。すべてを取り入れることはできませんが、一つずつできることから自分でできる形にして取り入れていくことにしました。
その中でも気にいっているものを1つご紹介します。夜中に災害が起きた場合、その季節にあった衣服をとって逃げることは困難です。停電していたらなおの事。そこで、寝る前にかごの中に翌日着る家族の服を全部入れています。そこに懐中電灯も。季節や気候にもあったものが準備されています。そして朝に着る物を考える必要はないので、朝に余裕ができました。
防災や避難に正解はないと思います。それぞれの生活状況や子供さんの年齢などでも大きく変わると思います。だから、無理なく自分らしく生活スタイルに合わせて変化させながら継続していくことが大切だと思います。
私には大きな後悔があります。5年前、病院に看護師として勤めていたころ、災害委員会に入っていました。そこではどこかで災害が起きた際にかけつける訓練や講習会を受けたり、マニュアルを作成したりしていました。しかし、災害が起きた場合に困らないようにするための取り組みがありませんでした。棚の荷物は落ちないか、人工呼吸器やベッドはしっかりとストッパーがされているか?スタッフの意識も高いとは感じていませんでした。そこで私は会議の時に「ここで災害が起きた場合の対策は大丈夫でしょうか?」と意見すると、「その時は困るでしょうね。面白い事を言うわね。」と笑われました。その時は熊本では地震は起こらないと誰もが思っていたのです。私はそれ以上なにも言いませんでした。
もしあの時「しっかりとした対策が必要です!」と意見を引かなかったら。地震が起きる3年前に退職したのできっと状況は変わったと思いますし、私がなにかを言ったところで大きななにかはできなかったとも思いますが、ただ意見を述べることを止めてしまった後悔が残っています。
あれから5年。守るものができ、そしてバナナが幼稚園にいる時間になにか起きた際は守ってもらいたい。だから、後悔のないようにまた幼稚園の先生に話をしに行こうと思います。